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パワハラなき職場へ対策急げ

中小企業に、新たな体制作りの義務がのしかかりました。

4月6日の日本経済新聞朝刊(社説)からご紹介します。

 

 

(社説)パワハラなき職場へ対策急げ

 

 

ここから

 

パワーハラスメントを防止するための措置が、4月から中小企業にも法的に義務づけられた。大企業ではすでに2020年6月から義務化されていた。

 

パワハラは重大な人権侵害だ。働く人の心身の不調を招き、休職や退職、最悪の場合、自殺にまで至ってしまうこともある。

 

厚生労働省の20年10月の調査では、働く人の3割が過去3年間にパワハラを受けた経験があった。パワハラが原因で労災認定を受けるケースも目立ち、企業を相手取った裁判も起きている。対策は待ったなしだ。

 

パワハラ根絶に向け、やるべきことは多い。就業規則などに厳正に対処する旨を規定し周知する。相談体制を整備する。起きた際は迅速に対応し、相談者らのプライバシーも守らなければならない。対策を怠れば、国による勧告や社名公表の対象ともなる。

 

***以下省略***

 

ここまで

 

 

大企業にはパワハラの防止措置を義務付けていたところ、今年(2022年)4月から中小企業にも同様に義務付けられました。

 

 

実施すべきことは、最後のパラグラフにある通り、「就業規則などに厳正に対処する旨を規定し周知する。相談体制を整備する。起きた際は迅速に対応し、相談者らのプライバシーも守らなければならない」というものです。

 

 

就業規則の中の「服務規程」の項目には、だいたいの会社がハラスメントの禁止を規定しているでしょう。

そして、その裏返しとして、「懲戒」の項目に、ハラスメントを行った場合の各種懲戒を定めているでしょう。

これをやっていなければ、その時点でアウトでしょう。

 

 

次に、相談体制を整備している中小企業があるかどうかは、ちょっと怪しいです。

これは、相談者(あるいは役職)や連絡先を周知するものです。

私は、この相談体制の整備が大変重要だと思っています。

困った人の相談に乗ってあげることは重要です。

会社側としても、外(行政など)へ相談されるよりも、会社内で解決できた方がより良いのではないでしょうか。

 

 

セクハラ、マタハラにはすでに法律で相談体制の整備義務が課されていますから、それに乗っかれば簡単です。

困るのは、セクハラもマタハラも、そしてパワハラについて何も防止措置を行っていない会社です。

残念ですが、こういった会社は案外あります。

 

 

セクハラ、マタハラおよびパワハラで困っている人に対して、相談できる体制を社内に整備しなさいと義務を課しているのに、なされていない場合はどうすれば良いでしょうか。

あるいは、相談窓口を社長自身にしておいて、ハラスメント自体を社長が行っているという場合、誰に相談すれば良いでしょうか。

こういった場合は、労働基準監督署に併設されている「総合労働相談コーナー」へ相談するしかないでしょうね。

 

 

今年4月1日から、全ての企業に3つのハラスメントの防止措置義務が課されました。

ご自身の会社が義務を果たしているか、特に相談窓口が設定・周知されているか確認してみてください。

それをやっていない会社があったならば、労務管理に対して興味がない、もっと言えば社員のことをあまり考えていない会社だと言えると思います。