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「春闘」に対して「秋闘」という言葉は無いですが、秋は最低賃金が決まる季節で、その方向性が見えてきました。
8月3日の日本経済新聞朝刊からご紹介します。
試される「賃上げで雇用増」 最低賃金、時給31円3%超上げ
2年連続伸び最大、持続へ生産性カギ
ここから
2022年度の最低賃金を全国平均で31円上げ、時給961円とする方針が決まった。過去最高の上げ幅で、2年連続で3%を超す。物価高を背景にした大幅な引き上げだが、一方では企業収益も圧迫し、中小企業では賃上げの余力が乏しい。デジタル技術や人への投資で生産性を高め、製品やサービスの価値の上昇につなげなければ持続的な賃上げは定着しない。
最低賃金の引き上げは1日夜、中央最低賃金審議会(厚生労働相の諮問機関)の小委員会で決着した。今の全国平均は930円。今後、都道府県の審議会が実額を決め、10月ごろに適用される。
***以下省略***
ここまで
31円そのまま上がるとしたら、今年の10月1日から以下のようになる見込みです。
神奈川 1,040円から1,071円へ
東京 1,041円から1,072円へ
つい先日、1,000円を超えたと思いましたら、来年あたりは1,100円に届きそうな勢いです。
たまに神奈川・東京以外の土地へ行って、店先のパートさんの募集要項を見ると、時給900円台のことが多いです。
これを早く1,000円台に持って行きたいのが政府の意向なんですね。
私たちの仕事は、中小企業の経営者さんとお話しする機会が多いです。
零細企業では31円アップでも経営への影響は大きいものです。
一方で、日本人の賃金はここ25年ぐらい上がっていません。
賃金水準は韓国にも抜かれ、先日聞いた話では、部長クラスならば日本よりもタイの方が給料が良いとのことです。
これまで、日本は賃金の安い国に製造を任せてきました。
これからは、逆に安い人件費の日本が製造を任される日がやってくるのではないかと思います。
2%程度とは言え、インフレ傾向になっているいまこそ賃金を上げるチャンスだと政府は考えているのでしょうね。
経済、そして日本の未来を考えると、痛みを伴ったとしても、賃上げは必要なんだろうと思います。
賃上げがされたら、次の問題は130万円の壁などの扶養の問題です。
年末を迎えるにつれて、社会保険の被扶養者とされる月額108,333円以下(給与所得だけの場合)に給料を抑える方が増えてきます。
私は電話相談を承っていますが、この手の相談は非常に多いですよ。
時給が上がるから、仕方なく労働時間を少なくするわけですね。
それで、「人手不足だ!」ということになるのですから、本末転倒のような気もします。
あと、税金の問題もあります。
娘がアルバイトをしていますが、場合によっては10月以降のシフトに入る回数を減らすように申し出させるつもりです。
バイト先には申し訳ないですけど、せっかくの扶養控除の特権を失わないようにさせていただきます。
最低賃金の話しについては、扶養の壁の金額も含めて考えるべきだと思いますが、いかがでしょうか。
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