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1~2ヵ月前にも書きましたが、実質賃金のお話しです。
12月6日の日本経済新聞夕刊からご紹介します。
実質賃金7カ月連続減 物価高に追い付かず
10月、マイナス幅2.6%
ここから
厚生労働省が6日発表した10月の毎月勤労統計調査(速報、従業員5人以上)によると、1人当たりの賃金は物価変動を考慮した実質で前年同月比2.6%減った。7カ月連続の減少で、マイナス幅は2015年6月(2.8%減)以来、7年4カ月ぶりの下落幅だった。資源高や円安で上昇する物価に賃金の伸びが追いつかない状況が続いている。
新型コロナウイルス禍からの経済活動の再開に伴って名目賃金は増えたが、消費者物価の上昇率に及ばない状況が続く。実質賃金の低下が7カ月以上続くのは20年3月~21年1月以来となる。
***以下省略***
ここまで
賃金の額が増えても、物価の伸びの方が高いので、実質的な賃金が伸びない!
もっと言えば、生活が苦しくなっているはずです。
そのような状況が7ヵ月も続いているとのことです。
これを改善する方法は2つ。
一つ目は、物価高(消費者物価)を抑えることです。
金融政策で金利を引き上げることが王道なのでしょう。
日本の物価の伸びは3%台後半、米国は7%程度(今晩の米国CPIの発表に要注目です)、EU・イギリスは10%程度です。
世界の中で、日本の物価の伸びは低い方です(消費者物価指数の伸びは低いですが、企業物価指数の水準は高いです)。
そんなことから、景気が冷え込まないことへの配慮を優先して、日銀は金利を上げません。
いまの日銀総裁が交替する来春まで、この方針は変わらないと思います。
それと、金利を引き上げたとしても、日本の物価高の主因はエネルギー資源などの高騰によるものです。
米国との金利差が縮まることで、為替が円高に振れることで輸入インフレを若干抑えることはできるかもしれません。
ただし、現在の物価高の根本的な原因解決にはならないと思います。
もう一つは、賃金を増やすことです。
物価の伸び以上に賃金を増やせば良いわけです。
といっても、コロナで打撃を受けた産業もあり、無い袖は振れません。
内部留保が相当ある企業では、春闘などで賃上げの対応をすることでしょう。
連合の要求は5%アップ(ベア3%+定昇2%)です。
3.5%程度の物価高に対する5%の賃上げは、実質賃金がプラスになるでしょう。
果たして、そこまで出せる企業がいくらあるでしょうか。
当面、家計は苦しいかじ取りが迫られそうです。
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